【水泳特集】 遠泳の魅力にせまる

【水泳部葉山部門】

部員数20名
練習時間週6日
練習場所日吉キャンパス内協生館プール
主な大会7月 熱海OWS※
   館山OWS
   日本選手権
8月 遠泳
   日本泳法大会
11月 東京水泳連盟泳法競技会

※オープンウォータースイミングの略称

「水泳部葉山部門」。名前を聞いただけで、何の競技か分かる人は少ないのではないだろうか。この葉山部門には、他の水上競技とは一味違った魅力がある。

早朝の協生館に行くと、目に入ってきた葉山部門の練習風景。水泳というと、スピードを競う競泳や、力と力がぶつかり合う水球など、力強いイメージも強かったこともあり、不思議な印象を受けた。何の練習なのか伺ったところ、「今回は早慶戦前(取材を行ったのは5月29日)だったので、たまたま日本泳法の練習をしていました。普段はもっと普通の練習をしていますよ(笑)」(杉野主将・政4)とのこと。取材陣はたまたま珍しい練習を見ることができ、何ともラッキーであった。

練習見学後、杉野主将(政4)にインタビューを行った。

─まず葉山部門の紹介をお願いします

杉野主将 部員は20名いまして、活動日は週6日です。葉山部門は4つのことをやっていて、遠泳・オープンウォータースイミング・日本泳法・初心者指導という4つの活動をしています。なんで葉山部門かということなんですけど、葉山では現在活動してないんですよね。水泳部のはじまりが葉山で行った合宿が始まりだと言われていまして。その流れを未だに継いでいるということで葉山部門と呼ばれています。

─年間の大会というのはどんなものはありますか

杉野 オープンウォーターでは7月に個人の日本選手権がありまして、それが一番大きな試合ですね。8月に3人1組で泳ぐ試合があります。日本泳法の試合は夏の下旬にあるんですが、種目が3つあるんですよ。普通の日本泳法、泳ぎのきれいさをみせるやつですね。あと重りをもってどれだけ耐えられるのかっていうのがあります。あとは日本泳法の形で競うものもあります。

─いつから遠泳をされていたんですか

杉野 僕は高校の時にこの部活に入ったんですよ。自分は中学までスポーツをやったことがなかったんですけど、初心者指導があると聞いたのでやってみようかなということでした。

─きっかけは

杉野 個人的なことなんですけど、僕は中学生まで身長が小さくて色白で女の子に間違えられたりしてまして(苦笑)。それが嫌で高校では体育会をやろうと思ってたんですよね。結構、自転車部だとか、少林寺拳法であったりとかいろんな部を回ったんですよね。それでこの部にたどり着きました。体も鍛えられるし、日焼けもできると(笑)。

─はじめの頃のエピソードは

杉野 入るのが遅かったんですけど、遠泳をやるということを聞いてなかったんですよね。はじめたばっかりの自分が15キロ泳げって言われた時はギャグだと思いましたね(笑)。 まあ泳げるようにはなったので、初心者指導というところではしっかりしているんじゃないですかね。最初は短い距離から始めていくんですけど、1500メートルを泳げるようになると普通に何キロでも泳げるようになってますね。なので15キロを泳ぐ練習というのはそんなにやったことはないですね。

─プールと海を泳ぐときの違いは

杉野 やっぱりプールはコースがあるじゃないですか。でも海だとないんですよね。オープンスイミングとかは自分のコースで泳いでくださいっていう感じなので、自分で顔あげて目標を見つけながら泳がないといけないんですよ。プールでは本当に速い人が勝つんですけど、例えば目標をしっかり見れる人だとか、まっすぐ泳げる人だとかの人がいいんですよね。やっぱり頭を使って泳ぎますよね。

─いままで海で泳いでいた時のアクシデントとかは

杉野 サメがでました(笑)。みつけちゃったって感じですよね。僕はあんまり驚いたりしないんですけどね。一応計画段階でサメは出るものだっていう計画はしているので。出たらどうするみたいなことも決めてあって、サメが出たら泳いでいる人を船にあげるとかのマニュアルがあるんですよ。はじめからサメが寄り付かないように足から出血した時とかはワセリン塗って出血止めたりとかはしてますね。

─早慶戦では日本泳法のエキシビションを行いますが

杉野 エキシビションは全体の流れを作って、いろんな泳ぎ方を披露して、僕らの活動の一環として見せるっていうのと、ひとつひとつの泳ぎ方を継承するっていう感じですね。やったら敗北率0%なんで負けないんですけど(笑)。

─早慶戦での披露というのは特別でしょうか

杉野 継承を正しくするっていうのはやっぱり重みがありますよね。できていなかったらOBの方々にも申し訳ないですし、自分たちの練習もちゃんとできてなかったことになりますしね。

─日本泳法の採点の基準は

杉野 フィギァスケートと同じですよね。この技にはこういう見どころがあって、そこができていたらポイントっていう感じですね。まあまだ評価基準はあいまいなんですが(苦笑)。

─最後にウェブを見ていただく方にメッセージをお願いします。

杉野 葉山部門の魅力は他にはない活動ができるっていうことと、初心者でも活躍の場ができるくらいまで伸びるところだと思います。よろしくお願いします。

取材前、遠泳というスポーツに対し持っていたのは、精神を鍛えひたすら泳ぐというイメージ。しかしそれらのイメージは、今回の取材で瞬く間に覆された。海に出ると常に頭を働かせ、アクシデントに立ち向かう…なんとも波乱万丈。サメ対策のマニュアルがある部活なんて、他には間違いなくないだろう。

 太陽の下、どこよりも広いコートで戦う葉山部門。次回はプールではなく、本職の海で泳ぐ彼らを取材してみたいと思った取材陣であった。

By Arisa Hakuta