特集   「慶應スポーツ」題字について

 
 
本紙創刊に寄せて−「慶応スポーツ」に期待

                    
                              元巨人監督・水原 茂さん
 

  私たちの時代は塾の黄金時代であった。野球は日本のトップレベルにあり、
 ラグビーとしても「無敗のラグビー」と言われ、日本の王座を長期にわたって守
 り続けていた。

  ところが最近の塾を見ると、野球部はもちろん、ラグビーは明治、早稲田に追
 い越され、 塾全体が低調であるとも言えるような状態である。

  私としては“昔の慶応”を知っているだけに残念でならない。

  塾の体育会各部に、より一層の努力、健闘をお願いするのは言うまでもない
 ことだが、そのとき意外と大きな選手の支えとなってくれるもの、それは塾生が、
 塾全体が自分たちを支援してくれている、応援してくれている、という気持ちで
 あろう。

  塾全体が一丸となって“栄光”を取り戻してもらいたい。

  そのための大きなバックボーンとなるのが本紙ということになるだろうし、
 「慶応スポーツ」発行の意義もそこにあると思う。

  そういう意味で「慶応スポーツ」に期待をしているし、できるだけの協力をした
 いと思う。題字(を書くこと)は得意ではないが、頼まれたことを名誉と思い、引き
 受け、書いてみた。「慶応スポーツ」の今後に期待しています。

(1978年4月6日発行・本紙創刊号より)

★水原 茂(みずはら・しげる)
 1902年(明42)1月19日香川県生まれ。高松商高で2度甲子園優勝。28年慶大入学、同年秋には投打の柱として初の10戦全勝優勝に貢献。36年東京巨人軍に入団。40年にベストナイン、42年にMVPに輝く。同年入隊、戦後のシベリア抑留を経て49年帰国し、50年に巨人監督に就任。11年間で5連覇を含む8度のリーグ優勝、4度の日本一と黄金時代を築く。61〜67年に東映監督、69〜71年に中日監督を務め、62年に日本一。監督通算勝数1586は歴代第4位。76年殿堂入り。82年3月26日逝去(享年80)。
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