1年の始まりを告げる早慶レガッタが幕を開ける。隅田川決戦を制し、今年初の公式戦を白星で飾りたい慶大。 昨年のまさかの敗戦から1年が経過した。今年は部員不足に悩まされ、苦戦必至。チームが"一丸"になって、 桜橋を先に通過することができるのか。
部員不足―。1889年の創部以来、大学レガッタ界をリードしてきた慶大端艇部が史上最大の危機に直面している。
昨年の対校エイトクルー8人が引退し「ケガ人が出るとエイトが組めなくなる」(十河監督)ほどの窮地。さらに
「競争するという意識が生まれない」悪循環。監督が緊張感の欠如を危惧するほどだった。
今年のテーマは"一丸"。かつてのように"王者"と称されるチームではない。代わりに「少人数が小さくまとまるのではなく、
ひとりひとりの部員が力を最大限に生かす」(平田主将・法4)という思いが込められている。"一丸"が「新しい端艇部像」(十河)
となるきっかけは、年の変わり目にあった。
12、1月に艇庫の改修工事が行われた。クルーとの共同生活、目の前にある川。当たり前に与えられていた環境が奪われた。
乗艇練習が出来ない代わりに部員自ら陸上トレーニングの内容を考案。船に乗っているだけでは養えないバランス感覚や俊敏性を総合的に
高められた。また、合宿所生活から離れたことでコミュニケーションの重要性を再認識した。
早慶レガッタ10週間前の2月初頭、合宿が再開される。結束を固めつつあったチームに現在の1年生が合流。当時まだ高校生だった彼らは、
練習意識の面で上級生の期待に応えられない。だが「一度ぶつかり合った」(平田)部員たちは再び一つに。いつしかチームは"一丸"
となる術を身につけていた。
対校エイトクルーは2、3年生で構成される。クルーの平均身長は慶大177センチに対し早大は181センチ。まさに「倒しがいのある巨人」(十河)
だ。また、ここ数年で最強といわれる選手層の厚さは誰もが認めることろ。だが、レガッタは個々の力の総和による勝負ではない。"一丸"となったときの艇速
で慶大は勝負をかける。
目指すは「史上最高の勝利」(平田)。逆境を乗り越えて慶大が桜橋を先に通過したとき、隅田川にはクルーの「史上最高の笑顔」が満開に咲き乱れる。
(大江 麻衣子)
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